2016年04月08日

中身のお話

修理をしていると「この自転車出来が悪いな」と
思うものが結構あります。

どういうものがそうかというと
まず何より一番はっきり解るのが
構造を理解していないで組み立てたと思われるものです。
もっと言えば、設計段階から素人なんだな
解るものが結構あります。

それは安い自転車だけに当てはまるものではありません。
例えばブリヂストンのアンジェリーノアシスタが
普及し始めた頃はとても大変でした。

チェーンカバーの止めネジに
ネジロックが着いているため、外すことができず
後輪関係の修理が全く出来ないという
とんでもない事例が多発しました。


ブリヂストンというメーカーともあろう企業が
こんな初歩的なミスをやらかすのは、がっかりします。

自転車は、必ず修理をしないと乗れません。
ですから、ネジを固めるという発想は全くのナンセンス。
固まってしまったがために廃車になる事だってあるのです。

残念ですが、よくある事例としてはそのパターンが多いです。

では今回の事例を見てみましょう。



最近目にするようになってきた
カセット式のボトムブラケット。
要するにクランクシャフトとベアリング、受け皿が
一式セットで一体型になっているものです。

メリットとしては、最終的な微調整が要らないので
多少修理は早くなる・・と思います。
今ではブリヂストンなどでも
アルベルトなどに使われておりますが
採用されてまだそんなに経っていないので
アルベルトの修理はまだやったことがありません。

これが発表された時に私がまず思ったのは

「ああ、これで安物売ってる腕のない店でも
クランク修理やっちゃったりするのかな」


ということでしたが
やってみた所、結局道具があっても
知識と腕が無いと出来ませんし
最終調整以外はやっぱり手間がかかる作業ですから

もうダメだから新しいの買い替えましょう

みたいに言われると思います。
まともなお店じゃないとやらないでしょうね。笑


さて話を戻しますが

何がダメって、最初から読んでいたら気づくと思いますが
左右に思いっきりネジロックが塗ったくってありますねー。
クランクが外れちゃ困るのは当然なんですけどね。

でもクランクが壊れる時ってどうなるかというと
大体内部のベアリングが割れたりして
その、左右で止めてある部分の内川が壊れるんです。

一番の原因はチェーンをたるたるで乗っていることだと
私の個人的な考えとして、そこを指摘しています。

たるんでいれば歪みます。
クランクがまっすぐ回転したいのに
後輪から戻ってくるチェーンが暴れますから
必然的にクランクの軌道がおかしくなるはずです。
そしてベアリングに負担をかけてベアリングを割る。
隙間が出来てさらにガタガタになる。
という流れが一番多い気がします。
改めて、これはあくまで私見ですけれども。

本当は10年くらい乗って、磨耗してグリスが減った分だけ
隙間が出来て、それを壊れる前に補充してあげれば
基本的に壊れることは無いはずなんですけどね・・

この修理が沢山増えているのには
そういう背景があると私は思っています。
要するにいい加減に乗り回してるってだけですよ。

というわけで、それでも青いネジロックがついている
おわんの部分が緩むせいで壊れてしまう、というケースは
割合としてはそんなに多くないのは事実です。
(※安物自転車には少し多いですが。)

それ以上に、数年先に開ける場所なのに
ネジロックをかけてしまったら外れなくなる可能性
があり
そうなったら修理不能で一発廃車です。

実は今回もちょっとヤバかったんですが
何とか直すことが出来てほっとしています。

この部分はむしろ、そういう事にならないために
グリスを塗って閉めるくらいの場所
です。
次に作業する時に困らないようにということです。

ネジ締めが足りないのは腕の問題です。

もしこの先数年後、乗っている方が引っ越したりして
他の自転車屋さんがここを開ける
なんてことは普通にありえる話ですし
その時に「何だよ前やった奴、へたくそだな」
と言われたくないので、私はきちんとやります。

いや、別に自分凄いだろっていう自慢でも何でもなく
仕事ってそういうものですよね?
それって普通の事だと思います。
そういう基本が出来ない人は三流以下ですよね。

自分に腕があるか無いかは解りませんが
今できる最善をやっておくのは当たり前です。

しかし、そうしたくてもこのように
ロックで固められてしまって
手も足も出ないというケースが本当にあるんですね。
ハンドルの取り付けもそうだし
サドルの高さ調整もそうです。

組み立てする時に内側にグリスを塗らないと
後で高さを変えようとした時に
固まってしまって動かない場合があります。

主に量販店やネットショップなどに多いですが
特に子供車は、下の子の為に小さくしたいのに
固まって動かないから使えないので廃車なんてことは
結構日常茶飯事で起こっており、とても残念です。

外から見たら同じ自転車でも
実はそういう中身の部分が全然違うと
後で大変な差がついてきます。

それは、組み立てる人間の技術や知識
そして何より、その自転車を開発した人間の
知識と技術に100%依存するもの
だと私は思います。

例えメーカー車だったとしても、こういう部分で
「なんだこの程度か」と私達は思ってしまうわけですね。

ご理解いただけたでしょうか。
posted by シンワ店長 at 15:04| 日記