2016年06月16日

ハイリスク・ノーリターン

最近フロントフォーク交換が多いと言うのは
ここしばらくの記事をお読み頂けると解ると思いますが
本日もフォークの修理を行おうとした所
パンク修理という方がいらっしゃいました。

しかし私が最初にその自転車を見たときに
「ああ、またフォークの修理か」と思いました。
そのくらい遠目で見ても曲がっていたのです。



これは以前行った別の修理のものですが
本当にこのくらい曲がっていました。

「これを直すつもりが無いのであれば
パンク修理は当店では出来ません」

と、伝えると、その方はきょとんとしていて
自分の自転車じゃないから解らないけど
事故にはあっていないと言うのです。

道路で自転車が何かにぶつかれば、それは事故です。
人でなくても単独で壁にぶつかっても事故です。
車がガードレールにぶつかったら事故ですよね?
自転車も道路交通法上では立派な車両です。
そういう認識が無さ過ぎる事に
私は常々愕然としていますが
今回も同じケースなのだと思います。

ですので、修理をしないと乗れないことを伝えると
(※乗ってはいけない状況です、という意味です。)
すぐに乗りたいようなニュアンスの事を言われたのですが
残念ながらそんなにすぐに直るものではありません。
勿論、当日中に直るケースもあるのですが
本日のお店の仕事内容の状況もあり
今日中には直らないと伝えた所
「少し考えて相談します」と帰られました。

その数分後

別の方(たぶん乗っているご本人)が
お店の前に、その自転車を押してきたのです。

そしてなんと、通り過ぎていきました。

おそらく、パンクだけ直すなら
他の店に行けばなんとかしてくれうかも
という考えで駅に向かったのでしょう。

私は断言します。
その方は、おそらくパンク修理をしてもらうでしょう。
そのお店は、間違いなくパンク修理をして
その代金だけもらってほったらかすでしょう。


残念ですがこれが現実です。

乗るほうも、直すほうもいい加減なんです。
だから事故が減らないんです。
「自転車くらいいいだろう」というその気持ちのせいで
どれ程の方々が事故に巻き込まれていることでしょうか。


そもそも自転車店というのは
安全指導も行うことが義務とされています。
自転車店の人間が、いい加減な自転車を見て
「大丈夫ですよ」なんて言っていたら大問題です

そもそも何か起きて責任を取れない事を
大丈夫なんて言うリスクが大きすぎますね。

そんなお店にあなたは行きたいですか?

お店でもし、これほどの曲がりに気づけないとしたら
それこそ腕の無い証拠になりますし
そんな危険な状態で何も言わないとしたら
信用や責任の問題になってきます。
私ならそんなお店は行きたくない。

そこも合わせて、パンクを直すのならばいいですが
直さないのであれば私は拒否します。
危なすぎて他の大勢の方に迷惑がかかる可能性があるものを
目をつぶって、一つ仕事だからとほったらかすことは
少なくともサイクルショップシンワでは、やりません。


それで別に私自身が嫌われても構いません。
そんないい加減な仕事を私はしたくないから。

逆に私は、そういう状況だと理解した上で
まだそんな危険なものを乗り回すような人間は
心の底から軽蔑します。

人としてどうなの?

今回のケースだってそうです。
娘か孫かわかりませんが
大切な肉親を、そんな危険と解っているものに
今日使いたいから?明日使いたいから?
たったそれだけの理由で
注意もせずまた乗らせるその神経が全く理解できない。


もはやルールやマナー以前の、倫理の問題です。
よく、まともに走れる状況じゃないのに
「乗れてます」という人もいますが
ピエロにでもなるつもりでしょうか?
それはただの曲芸であって、状態は整備不良です。

いつも書いていますが
もしあなたの大切なご家族や恋人が
そういう自転車に撥ねられて大怪我をした時に
「まあしょうがないよね」と済ませられますか?


もし事故を起こして訴訟になったら
何千万という金額を、支払うことが出来ますか?
誰かの命を奪ってしまった時
その責任を一生負い続けて生きていくことになるのです。

たかだか何千円かの修理で
たかだか一日二日我慢するだけの事で
それは100%回避できるのです。

今、自転車に問われているものは
そういう部分だということを、十分にご理解ください。
posted by シンワ店長 at 11:48| 修理