2015年01月30日

アルベルトe登場

28日の水曜に、都内にてブリヂストンの発表会がありました。



ブリヂストン初の電動アシスト自転車ということで
(※従来製品はヤマハとの共同開発です)
いつになく気合の入った印象を受けました。

今回発表された中で、色々と注目すべき点は多いのですが
簡単にまとめると以下の3点になります。

・ブリヂストン初の独自開発電動アシスト自転車
・ベルトドライブ
・前輪駆動方式


上記にも書きましたが、従来のアシスタシリーズ等は
ヤマハと共同開発のものでしたが
今回は100%ブリヂストン開発ということで
その気合の入り方の様相は言わずもがなですね。

次に、ベルトドライブということですが
これは現行の電動アシスト自転車にはないタイプとなります。
アルベルトで蓄積してきた技術を生かす形となるようで
主にシティサイクルタイプのものが発売されます。

DSCN0518.JPG

前輪駆動方式を取った理由は、ベルトドライブということで
従来のチェーンの駆動方式が使えない事が最大の理由だと思います。

ただ、説明を聞いた感じでは、そもそも
そういったネガティヴ的なものが先行したわけではなく
過去に他メーカーなども参入していたものの
スタンダードとなる事が出来なかった
前輪駆動方式の失敗点や難点なども見直し
全く新しい前輪駆動方式を生み出した
、といった感じでした。

また、この電動アシスト自転車は駆動方式やその他
搭載されるBMS等の関係により
バッテリーもオリジナルが採用されます。

DSCN0560.JPG

容量=Ahの数字は小さいものの
従来の25.2Vに比べて36Vという高い電圧により
伝達速度が向上するため
トータル的な走行距離が伸びるということでした。

※総電力量(Wh)=VxAh
従来のアシスタDX:25.2Vx8.7Ah=219Wh
新開発デュアルドライブ:36Vx6.2Ah=223Wh


耐用充電回数などは従来と同様だそうですので
仕様感は今までと同じ感じだと思います。

また、前輪駆動方式ということで回生充電も採用されています。

DSCN0575.JPG

発売は2月下旬となります。


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さて。

これで終わったらシンワブログではありませんね。笑

まだ試乗だけで、整備としての実物を触ったわけではありませんが
ひとまず説明を聞いて、乗ってみたところの
個人的な見解をストレートに書いておきます。

一言で言うと「懐疑的」です。

あくまで私個人の考えになるのですが
まず、この自転車がどこへ向かっているのかが
イマイチピンと来ません。
つまり、ブリヂストンがどこへ向かいたいのかが
イマイチ解りません
、と言い換えることが出来ます。

元々、電動アシストのシティサイクルという立場が
(当店でも年間電動の1割未満、というか2台あるかないか)
という狭いシェアの商品であることは明確であり
そうであるからこそ、拡大する余地がある
という狙いはよく解ります。

しかしながら、その目的として通勤・通学者を狙うことは
果たして正解といえるのだろうかという疑問が残ります。

15〜18歳の若い、一番元気のある、そして無茶をする子供達に
12万もする電動自転車を買い与える事が
私には正常な選択であるとは思えません。
(※あくまで首都圏での話です)

また、7割近く(以上?)のユーザーが
3万未満の自転車を乗る首都圏で
12万の通学用自転車を選ぶ層が
今後そんなに増えるとも思えません。

ブリヂストンサイクルといえば、ここ数年は
異常というくらい、本当に尋常じゃない価格高騰で
年間で8,000円も価格が上がるような
非常事態に陥っている
と私は思っています。

正直、ブリヂストンの販売台数は落ち込んでいます。

そこに、ヤマハにケンカを売ってまで
独自開発のものを打ち出す必要が
今この時期にあったのかどうかという疑問が
どうしても付きまとうわけです。

販売している人間として、一連の流れを見ていて
この知らせを聞いた時に、まずそう思いました。

10何年もかけて開発してきたという自信はわかりますが
それは10何年も開発費をかけて開発してきたわけで
1年そこいらで取り戻せるようなものではないでしょう。

もしこの自転車が泣かず飛ばずだった場合
そのツケは誰に回ってくるのでしょう。
また、自転車の価格が上昇するのではないでしょうか?
それが今私が考えうるシナリオとして
一番現実的ではないかと思うのです。

性能面で言うと、バッテリーが高圧になったことは
電気に詳しくない私にはよくわかりませんが
不安定なリチウムイオンという事での心配は
全くないわけではありません。

過去に失敗という烙印を押されているような
前輪駆動方式の採用
は、おそらく多くの自転車屋さんからは
懐疑的に見られていることは間違いないでしょう。

現に回生充電に関しては、パナソニックですら
昨年末の発表会でほぼ触れる事すらなく
やや端の方でひっそりと展示だけがされていたり、
社員の方と話をした時も、「アレはまあ・・ね」
という含みで終わり、発展的な話はありませんでした。
(中立的な立場としてあえて書かせて頂きました。)

乗り心地ですが、印象としては、前輪が動くということで
少なくしたといいつつも、旋回のしづらさはややありましたし
何より坂道発進がとても重かったです。

1:2というアシスト比率を100%に近いところで発揮できる
と説明を受けましたが、パナソニックの
2015年ユニット搭載の(パワフル上位モデルでない)ビビDXや
異色のエネモービルの方が、その力は上に感じました。

(蛇足ですが、エネモービルの走行感はダイレクトで面白いです。)

制動に関しては、言っているほどま新しい感じはありませんが
逆に「違和感を出来る限り無くした」とも言えるでしょう。

仮にこれらの数値がほぼ同じものだったとして
体感でもほぼ同じものだったとしても
それを超えているわけでなければ
セールスポイントとしては弱いように思えます。


加えてバッティングシしてしまうACLシリーズなど
既存の電動シティサイクルのチェーンモデルをどうするのか
その辺りもちょっと気になるところです。

「あれを使うためにコレを開発しました」という事での
新しい取り組みはよく理解できましたが
総じて「これは素晴らしい!」と思える要素があまり無く、

そういった能書きはさておき、
ユーザーが求めるのはやはり
乗り心地と価格なわけですよ。


ですから私の見解では「懐疑的」ということで
しばらく様子を見ようと思っています。


最後に補足ですが・・

私は決して、メーカーをバカにしたいわけではありません。
メーカーが良いものを作り、ユーザーが満足するのであれば
それは価格が高くとも売れると思いますし
「良い製品」とはそういう事であると日々感じております。

ですから、現状の、一時期に比べて大幅に劣化した製品に
4万という価格を付けたところで、買う人間は増えるはずがありません。

売る側は「こんなもの売れない」と言うでしょう
それは「こんなものでは売りたくない」
「こんなものでは恥ずかしくて売れない」

という本心が根底にあるからです。

私達のような個人の自転車店の中でも
長年やってきて、しっかりした製品を取り扱ってきたお店ほど
そういう想いは強いはずです。
過去にブリヂストンの良い製品を沢山見てきているからです。

作り手側がニーズを誤認し、乖離してきていることが
これほど酷い状況を作り出している根幹
であり
早くそのことに気づいて、方向転換をして頂きたい

・・と思っている昨今です。
posted by シンワ店長 at 22:00| BS展示会