2013年12月22日

壊された自転車

日々修理をしていると舞い込んでくるのは
”あり得ない破損”です。

どのように”あり得ない”かというと
普通にやっていたら絶対起こらないミスというか
そもそも根本的に知識不足というもの。

つまり量販店で行われる修理のことです。
このクオリティにはほとほと呆れます。

こちらは先日発見した破損パーツです。



スタンド。

お客様はパンク修理で来られました。
しかしパンク修理をしようにも
車体がグラグラして安定しないのです。

原因はこれ



左側の車体にかませる爪の部分が
外側に曲がってしまっています。

本来車体を支えるはずのスタンドが
そこにかみ合ってない事で
車体をふらつかせる要員となっていました。


実は最初はこの自転車、子供乗せをつけていたので
子供がよじ登る事でおこる
継続的負荷
によるものかと思いました。
(※余談ですが最近、破損がとても多いです。)

結果的にはそれも要員の一つではあったのですが
締め直しをしようと思って外したところ
最大の問題点を発見しました。



解りますでしょうか。

左下に2つ、深い傷があります。
これは回り止めといわれるパーツによる傷です。



「回り止め」というくらいですから
回転を止めるパーツです。

車輪の回転を止めたらダメじゃないか
と思うかもしれませんが
これがしっかりはまっている事で
内装3段変速等の内装ギヤの構造が成立します




その場ですぐ修理したので
この写真は別の自転車なのですが
これが正常な位置です。



こうなっていたわけですね。

爪のスペース分浮いているにもかかわらず
強引にその後のパーツを組み付けたために
焼きの入ったパーツがスタンドに食い込み

上のような、まさに爪あとを残した訳です。

ちなみにこの軸をよく見て頂くとわかりますが
綺麗な円になっていません。
中心から左右の部分に切込みがあり
同じように回り止めにも切込みがあります。

これらの位置を正しく合わせることで
スタンドに上記の爪を引っ掛ける事が出来ます。
要するに組み立て時のガイドになっているわけですね。

そしてこの役割は、ただそれだけではなく
反対側のパーツにも影響(連動)していて
ここが正しく入っていないと
反対側も当然ながら正しく入りません。



写真が修理した自転車じゃないのと
完成した状態なので少し見づらいのですが
このように正しい順番で組む前の段階として
丁度赤い色のフレームの内側部分にも
切り込みのガイドのようになった部分があり
正しい位置でないとフレームの切り込み幅と合わず
フレーム(車体)を破損させてしまいます。

それは勿論、上記の通り反対側も同じです。

後輪には大きな負荷がかかるものですから
基本的に両側でしっかりと支える、
軸ごと回らないように補佐してやる必要があるのです。

修理した自転車は、2枚目の写真で解るように
スタンド自体を固定するパーツが曲がってしまっていて
フレームをかなり削っていました。

スタンドを新しいパーツに取り替えて
ある程度はまってくれたので廃車は免れましたが
アルミフレームの電動自転車でしたので
強度的なものが相当心配です。
子供が乗っているので尚更です。


聞けば、大型ホームセンターで勝って
不具合があって量販店で修理をしたそうです。


一度ハブ軸を換えた

と言っていました。

その結果がコレです。
呆れてものも言えません。

以前がどのような状況だったかわかりませんが
換えたそのハブ軸を正しく組み付けなかったことで
最悪フレームが折れたり
子供を乗せている最中にふいにスタンドが上がり
自転車が前に飛び出してしまうなど
大惨事になっていた可能性だってあるのです。


正直言って、上記で説明したメカニカルな部分に関しては
素人では解らない部分だと思います。
しかしプロならば知っていて当然の事ですし
これが理解できなければ自転車も組めませんし
修理するなんてもってのほか!


ですから、こんないい加減な作業は
到底修理とは呼べません。

人の死を招くだけです。

こんな基本的なことも出来ないようでは
直ちに辞めて頂きたいです。

遊びでやってるんじゃないんです。
自転車修理は、人の命を預かる仕事です。
posted by シンワ店長 at 11:27| 修理

2013年11月08日

恐怖のリサイクル店クオリティ

またしても劣悪な自転車がやってきました。

パンクをしたということで調べようとしたら
結構最近(一年以内くらい)に換えたタイヤでした。



しかし・・



空気を全然入れないで乗っていた為
かなりタイヤのコンディションが悪く


亀裂が内側まで到達し


中もボロボロ

こういう状態は毎度こちらで紹介していますが
間違いなく原因は空気を入れないことです。
そしてここまで来るのは相当入れなかったことと
子供を乗せていることに一因があります。
残念ながら、一発交換となりました。

それはさておき。


スタンドのバネがついていません。

スタンドのバネがないとどうなるか。
スタンドが上げづらくなるのはありますが
それはさしたる問題ではありません。

問題は子供を乗せていること。

子乗せ自転車でスタンドのバネがない
あるいは止めるときにスタンドロックをかけない人は
子供を危険な目に合わせていると自覚してください。


ふとした瞬間に自転車が前に動き出し
一気に転倒して子供が大怪我をします。
それでトラックにはねられた事例もあります。

ちなみにこのお客さんは帰りに前に子供を乗せました。
後ろならまだ、足などで多少強引に抑えがききますが
前に乗せる時は全く意識しておらず
子供を持ち上げて乗せた瞬間
自転車が大きく前に弾み出て転倒する可能性が巨大です。

さらに

この自転車、そもそも状態が劣悪というのは何かと言うと
ハンドルの形が尋常じゃないくらい曲がっているのです!


ありえない・・


なのでカゴも変形。

こんな状態のところに子供を乗せているわけです。
スタンドロック以前の問題です。

最初から曲がったハンドルで運転していて
事故にあったら『当たり前だよね』って言われて終わりです。
ましてこんな状態で乗っていて事故に合わせたら
それこそ数千万の賠償金を請求されます。

乗っている人間が気付かないなんて言わせません。
誰が見てもこんな状態で乗ること自体がおかしい。
まして子供を乗せているなんて考えられない。
自転車を見ただけでも、ぞっとして言葉を失います。



さて、ではなぜこんな事が起きたのか。
少しご説明します。

実はこの自転車、中古車だそうで
あるリサイクル店で購入したらしいんです。
リサイクル店というのは勿論自転車専門ではなく
一般的なリサイクル店です。


つまりただの古物商売の資格しかもっていないので
厳密にはよく解りませんが、ある意味
違法行為だと私は認識しています。

何の資格も、安全基準も解らない人間が
スクラップ同然の、事故車かもしれないものを
どこかからかき集めてきて
見た感じ自転車っぽく出来たら販売してしまうのです。


このハンドルが何故曲がったかは定かではありませんが
一ついえるのは、この前カゴはブリヂストンのもので
一般的なものとは形が独特です。
そして自転車自体はブリヂストン製品ではなく
強引につけようとした結果サイズが合わず
ハンドルを曲げて取り付けたのだと思われます。


そもそも安全性なんて考えていないのでしょう。
しかも乗り心地なんて良いわけがありません。

タイヤに関しては私のわかる範囲ですが
購入してすぐにタイヤに穴が開いていて
いきなりタイヤ交換になったと記憶しております。

つまりタイヤが付いていれば自転車という安易な考えで
売るほうも買うほうも、言い方が悪いですが
”ド素人丸出し”で取引が成り立ってしまったのです。

しかもそれで1万円くらいしたという話を記憶しています。

見た目が綺麗だと騙されやすいのがこちら



ちなみにお約束どおりネジは緩んでいました。
当然ながら子供を抱きかかえず
自分で乗り上げているから緩むわけです

写真をご覧の通りメッキがはがれて
錆びた箇所色を塗ってあります。
しかもフレームにまで色が付いてしまうという
あまりに粗末過ぎる塗装。

どこからスクラップをかき集めてきたか解りませんが
正直、未だにスクラップ同然の状態で乗っているのです

しかも、前回の交換時に一度注意をしたんですが
再び持ってくるということは
注意を聞かずに乗っているという事です。

自転車の状態が劣悪でそれを公然と販売する業者も問題ですが
それ以上にこんな状態で乗っている方が大問題。
気付く気付かない以前にこちらから注意していますから
明らかに確信犯と言えるでしょう。


家庭の事情は解らなくはありません。
いきなりじゃあ、新しい自転車を買うのかといわれたら
仮に今日だけだったとしてもタイヤを換えて
時間がないから、しかたないから
乗るという考え方
も浮かぶでしょう。

でもそれは、私から言わせたら

お金がないから

しかたないから

強盗して人を殺してしまった。

しかたなかった。

というのと同じだと思います。


なぜならこの自転車が危険すぎて
本人の意図しない瞬間に人の命を奪うほどだから。


私はこの人が事故にあってもし死んだとしても
当然だとしか思いませんが
もしこれが私に突っ込んできたら
地獄の果てまで追いかけて
一生後悔させる罰を与えるように人生をかけてもいいです。

そして、そんなどうしょうもない親のせいで
怪我をする子供が本当にかわいそうでやりきれないです。


12月から道路交通法が改正され
自転車の右側通行には罰金5万円が課されるようになります。
これは最低限度のルールを守れない人が多すぎて
致し方なく踏み切る形になった罰則で
これを生み出したのは自転車に乗る人々の意識の低さです。

これまでも、傘さし、イヤフォン、ケータイなど
普通に考えたら当たり前にダメだろうということを
公然とやりながら運転して事故にあわせる事で
様々な罰則がここ数年で一気に増えてきました。

今後もどんどん増えることでしょう。
自分たちで自分たちの首を絞めているのです。

もう少し、マナーとルールを念頭に入れて
気持ちよく自転車に乗っていただきたいと思います。
posted by シンワ店長 at 14:07| 修理

2013年10月20日

スプレー油で壊れた事例

今日は修理のお話です。

最近、改めてスプレー油の危険性を記事に書きましたが
相変わらず世の中では自転車にスプレー油という考えが
根強く残っているようで修理が後を絶ちません。

今日ご紹介するのもやっぱりスプレー油が原因で
本来、よく乗る方で早くても6年くらいは持つはずのものが
たった2年で壊れてしまったケースです。

まずこちら



車体はブリヂストンのノルコグという自転車。
これは2011年7月頃に登場した自転車ですので
間違いなく、乗った期間はまだ2年ちょい。
車体番号から2011年製造なのは確認しましたが
いつ頃買ったかによっては2年未満かもしれません

そして前回同様に、壊れたのがここ


「壊れた」と言うより「壊した」と言う方が
本当は正しいかもしれません。

これだけだとどの部分かわからない方もいると思うので
実際取り付けられた写真を載せておきます。



何故壊れるか。

チェーンにスプレー油を吹いたからです。

チェーンにかけたつもりの油が軸の内部に入り込み
車輪の回転と共に内部のグリースを溶かして流し
あっという間に油が無い状態になります。


例えばパンやうどんなどを作る時に
水が多すぎたら形成ができません。
それと同じようにある程度粘度の高い
固まってそこに留まってほしい油が
流動性の高い油で薄められ解けてしまうのです。

勿論チェーンではなく軸に油をかける人も多いので
それはまさしく自ら望んで壊していることになります。

それをやる人は大抵後ろだけですみませんから
前輪や他の軸にも油を吹いた跡がある事が多く
いずれそちらも早い段階で修理が来ることでしょう。

さて今回は後輪の軸ですが
(少し前の記事で「次回は後輪の」と書いていて
どれだけ待たせたんだという声が聞こえそうですが。汗)

開けたところ、このようになっていました。



想像通り、ベアリング周りの油がなくなり
カラカラになって茶色く錆びていますね。
今回はこれを洗いグリスアップする事で戻りましたが
隙間に粉塵が入ったり、受け皿の部分に傷が入っていると
一発で車軸交換となりますので6,500円かかります。

たった2年で6,500円です。凄い金額です。

ちなみに車輪の反対側、ブレーキで覆われている部分は
錆びも出ずややグリースが少ない状態でした。



これも入れ時ではあるのでグリスアップをしました。

実際、メーカー車でも新車の初期段階では
グリースはたっぷり入っていることはありません。
そのほうが壊れるからだと思いますが
修理の際はこれでもかっていうくらいたっぷり塗ります。
そのほうが長持ちするからです。

メーカーは売れることが目的ですが
お店は信用が第一なので長持ちすればそれが一番。
メーカーと販売店の決定的な違いです。


今回はブレーキがローラーブレーキだったので
ブレーキを換えるまでにはならなかったのですが
もしこれがローラーブレーキでなければ
おそらくブレーキも一発アウトだった可能性があります。


よく、お客さんは「昔から油は吹くのが普通だった」と言いますが
それは誰が指導したものなのでしょう。
都市伝説のような行為で自転車を自ら壊していたら
お金がいくらあっても足りません。
もしかしたら過去の自転車もそうして壊れた可能性もあるのです。

スプレー油に関しては、メーカーの製品を
隠さず写真で出している本ブログなので
あえてメーカーの名誉を傷つけない事を言わせて頂ければ
メーカーのサイトをご覧になって頂くと解りますが
このような所に油をかけることは一切かかれていません。


勿論、製品を売るためにイメージとして
製品にも写真は載っていますがあくまでイメージなので
そこにかけてくださいとは一言も書いておりませんし
サイト内でもバラしたパーツにかけている写真はありますが
一般車のチェーンに直接かけている写真はどこにもありません。

それなのに皆さんが車軸やチェーンに
やらたとかけまくる風習があることは
間違いなくユーザーの誤認です。

もし、それでも油をさそうと思う方がいらっしゃるならば
私はまず何故油が必要なのか、
そしてその油がどんな油なのか
そういう事を全て説明できる事を前提としてもらいたい
と思います。
モノには大抵、理由があってその形になっていますから
それを理解しないで手を出すのは無謀としか思えません。


まして道路を走るものですから命に関わります。
posted by シンワ店長 at 12:42| 修理

2013年09月08日

何もしなければ・・

「自転車屋に行くと高い金を取られる」

と思っている方は少なくないと思います。
確かに、今やホームセンターや100均に加え
ネットなどで簡単に安くモノが手に入る時代ですが
何でもかんでも安くしようとすると
思わぬ出費を招く事があります。

それは特に道路を走る、命を乗せる自転車であれば
尚更その可能性は上がると言ってもいいでしょう。

例えば、先日こんな修理がありました。



タイヤの横が、大きくえぐれてしまっています。
一体何が起きたのでしょう。

私どもプロからすると見た瞬間
犯人が何なのか、わかります。



これです。

ライトの取り付け位置というのは
結構簡単に見えてシビアだったりします。

なぜなら、ダイナモがタイヤに当てる事で作動する
という構造ですから、変な角度で当てた時点で
タイヤを破壊する事はちょっと考えたら解ります。

知識の無い人がやると、ただつけるだけで終わるので
こういうケースはよく起こります。
量販店やネットで買った自転車では
新車からこういう状態が多く
修理に繋がることが頻繁に起きています。


ちなみに上の写真は既に取り付け直した後で
正常な状態に戻っていますが
お店に来た時には取り付けネジが緩んで
ライト自体が首をもたげるような状態で
アースを取るための菊座金も
まるきり見当違いのところに入っていました。

一番怖いのは、走行中にライトがガクッと落ちて
そのまま車輪に挟まって大破し
その勢いで前輪がロックされて人が飛ぶことです。

まさか(笑)

と思うかもしれませんが、前輪にモノが挟まって
前方に人が飛ぶことは事実よくある事例

最悪の場合自転車事態が180度、前方にひっくり返ります。

さて、このライト。
実は当店でも販売しているものと同じで
お客様の自転車が当店でご購入の自転車だったため
まさか私が取り付けミスをしたのかと思い
恐る恐る伺うと、どうやら他で買ってきて自分でつけたとのことで
それを聞いて、起きた事象を全て了解しました。

当店ではこのLEDライトは、取り付け工賃込みで
2,000円(税込)で販売しております。

パーツ単体で販売したら工賃がなくなるので
300円ほど安くなりますが
おそらく他で売っている値段も1,600円前後だと思います。

たった500円程度の差を高いと思い
自分で取り付けて、壊して、事故にあったら
500円ではすまない大惨事です。

そしてタイヤを痛めてしまった事実から
この時点で4,000円の修理代が発生してしまいました。

最初から当店で取り付けていれば
2,000円で何も起きずに済んだのに。。。
「もったいないなぁ」の一言でした。

更に。

s98c.jpg

こちらはタイヤを換える前に気付いていたので
同時作業する事が出来たのですが
この写真だけで何が起きているか
解る方はプロ以外いないと思います。

軸が黒く汚れるのは、スプレー油を吹いたからです。
キッチンの換気扇が黒く汚れるように
油が付いたところには汚れが溜まり易くなるのです。

なぜスプレーと断言できるかは以下の写真です。

s98d.jpg

解りやすいように丸で囲いましたが
軸を中心にある一定の部分まで汚れているのが
はっきり解ると思います。
スプレー油を吹くことで、意図せずに
こんなにまで広範囲に油が飛んでいるという
とても解りやすい一例です。


周りを見たら一目瞭然ですが
本来ステンレスで汚れない部分なのに
自ら汚してしまっている状態です。



上のように布で拭うだけでこんなに綺麗になりますが
ちなみにこれ、汚れるかどうかということは
さしたる問題ではありません。

問題がおきているは、その内部です。

先日改めて記事にしましたが
スプレー油ほど恐ろしいものはありません。

スプレー油にご注意を参照


開けてみると、やっぱり内部のグリースが消えていました。



こちらの写真、実はちょっと失敗してまして
裏側はもっと真っ赤でいわゆるサビ状態にまで
状態が落ちておりました。



グリースを塗りなおします。

前輪後輪問わず、タイヤ交換の際に気付けば
少し時間をいただいて無料でやる事もあります。

単体でこの作業を行う場合
前輪は1,200円ほどで済みますが
後輪は3,500円ほどかかってきます。

10年に一度くらいのスパンなので
これでまた10年乗れると思えば安いと思いますが
スプレー油をかけてしまうと
最悪3ヶ月で壊れてしまいます。


この軸の油切れをそのままにしておくと
内部のベアリングが破損し
その破片が軸本体を傷つけて
最悪の場合、軸が切断されてしまって
車輪が飛んでいくという大事故になります。


400円の缶で、そこまでの事故になるケースもあるのです。

そしてこういった油まみれになっている方に限って
空気が入っていないケースも多々あります。

何もしなくていいのに、余計な事をすることで
大きな出費、大きな事故を招いてしまう。
やって欲しい事はやっていない。

これではいくらお金があっても足りません。

いつも書いていますが、知識がない方や
中途半端な情報で自転車をいじる方は
直してると思って実は壊しているケースが99%なので
何もせず、すぐに持ってきていただけることが
最も安く早く安全に乗るための秘訣です。

但し、空気だけはしっかりと毎月
ご自身で入れて乗ってください。
posted by シンワ店長 at 13:51| 修理

2013年09月03日

量販店あるある

修理をしていると多くの自転車を見ますが
あり得ない組みつけというのがよくあります。

「よくあります」と安易に書いてますが
本来あってはいけないのです。

しかしながら、例えば新車だったとしても
量販店で販売されたものは特にそういうものが多く
メーカー車でもいい加減なものが大半です。

自転車の組み立てというのは
基本的に同じ作業なので
普通にやっていれば同じように出来るはずなのです。

ですから、ちょっとしたことでも
我々プロの目から見たら
イレギュラーなものは特に目に付きます。

たとえばこれ



一見なんでもないように見えますが



問題はこの配線。



わざわざ反対側をまわして
無理やり本体に巻きつけて
右側に持ってきています。

ナゼこうなったのか疑問しか残りません。



これが正しい配線。

普通にやればこうなるはずなのに
どうしてわざわざ、難しい事をやったのでしょう。

補足ですが、配線はこのように多少余裕がないとダメです。
ピンピンに張ってしまうと、駐輪場などで
引っかけられた時により切れ易くなります。

ちなみに解りづらいですが
カゴを支えている支柱のパーツも
最初の写真ではやや右より(写真だと左より)
についていて、カゴの真ん中に来ていませんでした。

一番最後の写真は修理をした後ですが
この微妙な違い、お解かり頂けるでしょうか?

勿論この程度の事に料金はいただきません。
修理のついでであれば、勝手に直します。


安全上問題があるかといわれたら
あまり関係ないものも多くありますが
何より私自身が気持ち悪いから、直します。

これが素人とプロの違いです。
posted by シンワ店長 at 14:10| 修理

2013年05月27日

酷い修理

先日、他のお店で修理をしてもらった自転車が
直っていないということで、当店に持ってこられた
お客様がいらっしゃいました。

元々、当店で購入されていて
いつも修理に来ていただいている方だったのですが
出先でパンクをしたということで近場で直したそうです。

その時に「タイヤもダメかもしれない」と言われつつ
パンクだけで直して帰ったらしいのですが
翌日にまたパンクしていたので
そのお店でタイヤを交換してもらったそうです。

するとその直後から乗り心地がおかしくなり
ブレーキも変な音がし出したそうで
たまたま当店に持ってこられたのが水曜ということで
定休日だったため、致し方なくまた別のお店に持っていくと
「ブレーキの取り付けが正しくない」と言われ
正しく修理してもらったそうです。

その時は預けてしまったので何をどう直したのか見ておらず
1000円払って受け取ったら翌日からまた音がしだてしまい
最終的に当店に持ってこられました。

さてこの自転車ですが、何が悪いかはお店に来た時の音と
自転車を持ったとたんにすぐに解りました。

自分で言うのも何ですが、毎日仕事をしていれば
お客様が持ってきた時の様子と
お店の前に止まるまでの自転車の音だけで
何の修理に来たのか、どこが悪いのかは
だいたい解るものです。


一応確認の為にペダルも回してみましたが
それより何より、ブレーキを見たら一目瞭然。



調節ネジが締め付けすぎて
後輪すらもまともに回らないような状態でした。

音がするのは調節ネジの具合が適正でないから。
締めすぎても緩めすぎてもダメで
ブレーキの当たりがシビアになって
一回転するごとにどこかに当たる(=ブレーキがかかる)
ということになってしまいます。

上の写真のように限界まで締めることはまずありません。
したがってこのような初歩的なミスは
正直ありえません。


なぜなら、お渡しする前に
タイヤを回してチェックするはずだから。
それをやらないということは、修理したのに
直ったかどうかも確認していないということです。

さて、次に驚いたのがこちら



スポークが3本も折れていました。

タイヤ交換をしたのであれば100%気付くはずです。
車輪を外すほどの作業をしているのであれば
通常のスポーク交換より安く、一緒に直せるはずです。
当店なら、この程度ならご購入車であれば無料で直します。

最初に持ち込んだお店の話を聞くと
パンク修理代金を払ったにもかかわらず
翌日タイヤ交換でまた、タイヤ交換料金を払ったそうで
お客様は5000円以上支払った
と仰っておりました。

考えられません。

もし当店にタイヤがダメかもしれない自転車が持ち込まれて
もしお客様の要望でパンクで応急してくれといわれたとしても
あまり長く持たない事が明確であれば
せめて一週間以内ならレシートをお持ちいただければ
差額分でタイヤ交換をしますとお伝えします。


それどころか、スポークの外れも無視してお渡しするなんて
到底プロの仕事とは思えません。

このまま乗ってしまうと車輪が曲がって
もっと大きな修理に繋がってしまう事は明白ですし
安全に走行できない可能性もあるからです。

さらに!

よくよく見ると、ブレーキには油が入ってしまっているようで
握っても「ギ、ギー」と音を立てて滑って止まれません。

どの段階で油が入ったかはわかりませんが
一つだけ言える事は、この自転車は既に
以前に当店でブレーキを交換していて
当店で修理している限り
”ブレーキ周辺に油をかける”などという愚行
は、決して行っていないということです。





ブレーキだけでなく、周りのパーツにも
いたるところに溜まるほど油がべったり付いていました。

1軒目でブレーキがきちんとついていなかったという話と
2軒目で調整してもらったという話で
どちらでこうなったかは解りませんが
私が推測するに、1軒目のお店でもし油がついていたら
2軒目のお店で気付いてそこで修理ということになるはずです。

当ブログでも再三書いておりますが
ブレーキに油が入ったら一発アウトです。
そこで直すかどうかは別にしても

危険であることを伝えるのが

私たち自転車店の義務です。

安全整備士という肩書きがある以上

これを伝えない事は

怠慢だとしか思えません。


そう考えると2軒目で入ったとするのが妥当です。
1000円払って、ブレーキを壊されては踏んだり蹴ったりです。
そして上記に書いた義務どころか
自分で壊していては整備士としては失格ではないでしょうか。

実は以前より、お客様の自転車を修理する際に
ブレーキ周辺にスプレー油などがかかった痕跡がある場合
お客様に尋ねるのですが、家族の誰もが
油をかけるようなことは一切しておらず
スプレー油すら家にないというお客様が数人いらして
おかしな話だなとは思っていたことがありました。

最近になって色々とお話を伺っている中で
なんと驚いた事に自転車店でかけているという事が発覚しました。
それも量販店ならまだしも、あろうことか個人店。
どのお店かは伏せますが。
この事実を知った時は愕然としました。

ありえないのです。

例えば

ガソリンスタンドで

店員がタバコを吸っている


というくらい、ありえないのです。

無知にもほどがあります。
素人がホームセンターで買ってきたCRCを
知らなくて吹いてしまうのとはわけが違います。
少なくとも自転車技師や安全整備士という資格を持って
自転車店で仕事をしている以上
このくらいの基本的なことが解らないようでは
正直もう、やめてもらったほうがいいとさえ思います。


よほど修理のセンスがないのでなければ
習わなくても、仕事をしていれば
油の特性くらい直感で解りそうなものです。


そんなわけで、非常に残念なのですが
車輪交換と共にブレーキも交換という修理となりました。
このお客様は既に6000円以上支払っていて
タイヤが変わった以外は何も改善されず
また当店で8000円近く払うはめになりました。

新しい自転車を買ったほうがいいかもと口にされていたので
買ったら4万もするいい自転車であることと
まだ4年しか乗っていないことをしっかり説明して
修理したほうがいい事をご納得していただきました。

もし当店の近くでパンクしたなら
もし水曜じゃなかったなら
4000円で全部スッキリ直ってたはずなのに。

そう考えると、やりきれない気持ちになります。


その後も修理に取り掛かると、至る所で
その2店舗でやられたであろう災難が続出。



ブレーキワイヤーがほつれてたり



よくよく見ると、いたるところに油が溜まっていたり。

かと思えば・・



不要なところにばかり油がついていて
必要なところは全然ついていなかったり。
推測ですが、チェーンのケースを閉じたまま
スプレーか何かを吹いたのでしょうね。

というより、やっていて気付いたのですが
これはスプレーではありません。
スプレーは揮発性が高いので
油だまりになるほど留まりません。
それがスプレー油の特性です。
逆にこれほど留まるほどのものはオイルとしか考えられず
そしてそれほどの量をかけたというのは
どう考えてもありえないのです。

しかし次の事実がそれを証明しています。

車輪を組み替えるためにブレーキ本体を外すと
中には油が溜まっていました。



止まる装置の内部に潤滑油。
これでは止まれるわけがありません。
内部に溜まるほどオイルをかけたのでしょうか。
未だに信じられません。

他にも、細かい部分で言えば、例えばチェーンケースの内側
タイヤのある方は普通手が届かないので
タイヤを外す際に掃除が出来るチャンスなのですが
全然手入れされておらず汚れたままでした。



要するに、最初のお店でいう「タイヤ交換」とは
きっと”タイヤを換えて終わり”の作業なのでしょう。
確かに間違ってはいないと思います。
でもそれは素人レベルであって
仕事として考えると私には到底理解が出来ません。
私だったらそんなお店に行きたいと思いません。

タイヤを外す作業は大変だから
それなりに高い金額を頂くわけです。
ですから、それ以上の事を気遣ってあげられれば
お客様は4000円払っても「安かった」と思って頂けるのです。

それがプロの仕事ではないでしょうか。


まして、注油厳禁と書いてあるパーツに
油を吹きかけるなんて、まさにド素人もいいところです。


自転車店ですから、当然組み立てや修理を行うわけですが
私自身、自分でそこまで腕があるとは思っていません。
しかし腕がないとも思っておりません。
特別素晴らしい腕はないかもしれませんが
最低限、しっかりと調整し、修理をして
しっかり乗れる状態にする事は出来ます。


それともうひとつ、いつも心がけている事があります。
それは「恥ずかしくない仕事をする」ということです。

私たちが一番恥ずかしいのは何かと聞かれたら
私は真っ先に「プロが見てダメだと思う仕事」と答えます。

例えばこの件に関しても、最初のお店の仕事は
次のお店できっとダメだと思われたことでしょう。
そしてその両方のお店の仕事を、私はダメだと思いました。

ちょっとしたことでもプロが見たら気を遣って組み立てているかなど
細部までわかってしまいます。
それが解らない人はプロとは言えないと思います。

私が直した自転車が、組み立てた自転車が
いつ他のお店に持ち込まれるか解らないので
そこで見たどこかの自転車店の方に
「しっかり組み立ててるな」と思われる仕事をしたいのです。

「なんだこりゃ」と思われたら、本当に恥ずかしい。
そうなったらきっと、お客様はそのお店で
おかしい部分を説明されるでしょうから

「あの店で修理してもらったけど調子悪くて
 他の店に行ったら全然ダメだったって言われたよ」


と、なることでしょう。

結局は自分自身に跳ね返ってくるのです。

私はそんは恥ずかしい思いはしたくないです。
もしかしたらもうしているかもしれませんが・・

ただ、そう思っていてもミスすることは実際あります。
もし私のミスで直っていなかった場合は
どうぞ気兼ねなく言いに来てください。
お客様のお時間とお持ち頂く手間をお返しする事は出来ませんが
出来なかった部分は無料でやり直します。

しっかり出来ていないものに
お金を頂くなんて恥ずかしい事は出来ません。
それこそプロ失格ですから。

自己満足かもしれませんが
自己満足でいいんです。

結果的にお客様が安心して乗れるわけですから。
posted by シンワ店長 at 19:52| 修理

2013年05月18日

Fフォーク交換という修理

本日はフロントフォーク交換という修理について
詳しく解説していこうと思います。

聞きなれない言葉ですが、ちょっと詳しい方や
バイクなどを乗る方は解ると思いますが
ハンドル下の、前輪を支えている部分を
フロントフォークといいます。

見たほうが早いと思うので早速ですが
今回はこんな自転車がやってきました。



解りますでしょうか?

前輪を支える部分がぐにゃりと曲がって
ハンドルが切れないほどに
タイヤがフレームにくっついてしまっています。

比較の為に先に出来上がりを載せてしまいますが



これが正常な状態です。

フォークが曲がることで、フォークに取り付けられている
前輪ブレーキも位置がずれてしまい
おかしな位置になってしまいます。



上の写真の通り、フォークがこの状態では
ハンドルを切る事すら出来ず乗れないのですが
もし乗れたとしたら、このブレーキでは
タイヤを壊してしまいます。

ちなみに今回はかなり極端な例で
勿論、こうなるためには正面衝突など
重大な事故といえるほどに
相当な衝撃が加わらないとありえません。

ただ、単独での軽微な衝突で微量に曲がる場合も多く
私が見ている範囲でここが曲がって乗っている方は
おそらく全体の2割近いと推測しています。
つまり、ブレーキが変な位置についていて
まともに止まれない自転車が多く存在するということです。


どんなに軽くても、事故が起きて曲がってしまった
自転車を乗り回すことがどれ程恐ろしいか。

もしそういう自転車が自分に突っ込んできた時に
「しょうがないよね」って言えるのか。
今一度、考えていただきたいと常々思っています。



さて、では修理に取り掛かります。
まずフォークを外すためにはハンドルを抜き
フォークを止めているネジ類を外していきます。



よく、重い荷物を積む方はカゴからの振動がここに伝わり
ブラケットが揺れる事でこのネジ類が緩んでいる場合があります。
このネジがしっかりしまっていないと
フォーク及びハンドルの軸に遊びができてしまい
とても危険な状態ですので、もし緩んでいる方は
早めにご来店ください。異常が無ければ200円くらいですぐ直ります。




ネジを外すとフォークがそのまま下に落ちます。
上部にベアリングが見えるのがおわかりでしょうか。



このように下にもベアリングが入っています。

自転車で一番大事なのは”軸”です。
一般的なのはペダル軸や車輪軸のような横軸なのですが
唯一ハンドル部が縦軸となります。
このベアリングが壊れる事は滅多にありませんが
長く乗った方や、先のように緩みが出たまま乗っていると
早い段階で、ここまでバラして修理する必要が出てきます。
ちなみに3500円くらいかかります。

ネジを締めて200円と比べてお好きな方を選びましょう。笑


フォークを外したら、交換する前に
周辺のパーツも綺麗にします。



フォークのベアリングはリテーナーという
リングの中に入っている一つのパーツです。





破損しているとベアリングが抜け落ちたり
前回のペダル軸の時のように変形したりしますが
横軸に比べて負担が大きくないので
そこまで破損している事は稀です。
問題が無ければグリスアップして戻します。

勿論、ベアリングが合わさる部分にも
たっぷりとグリスを塗ります。





ベアリングをはめてはみ出すくらいたっぷりと。
はめた後に、はみ出たグリスを上からまた塗ります。







ちなみに交換したフォークですが
新品と比較するとこのような状態です。



誰が見てもおかしいことは一目瞭然ですね。
これは本当に極端な事例なのですが
実はぱっと見ても解らないくらいのものも
先にお伝えしている通り、結構あります。



これらはここ最近換えたフォークなのですが
(※ここ最近よく換えてること自体が異常事態です。汗)
真ん中の二つのうち、青い方は
よく見ればはっきり解る曲がりです。



実はこの方は、随分前から曲がっているのを知っていました。
何度も危ないという話をしていたのですが聞き入れられず
先日、チェーンが外れて親が持ってきた時に
危険だということを説明してようやく交換しました。
親もそれを知っていたということには愕然としましたが。。

白い方はかなり微妙に曲がっていて
気付くのに少し時間がかかりました。
修理にこられた際に若干の違和感を覚えたのでよく調べ
お客さんから「ぶつかったことがある」と聞いたので
微量ですが曲がっていることを確信しました。

「ぶつかったことがある」と解っていながら乗ること自体が
危険運転である事をもう少し認識していただきたいです。


フォークが曲がる際には正面から相当綺麗にぶつからない限り
左右が微量にずれて曲がるため、曲がった自転車は
ハンドルがまっすぐなのに走行中にどちらかに曲がります。
まっすぐ走れない自転車であるというだけでなく
先のようにブレーキがずれて利きが悪くなっていたり
酷い場合だとフォークが破損してヒビが入ったりして
もう一度ぶつかったら大破ということも考えられます。

あわせて、車輪が曲がるケースも多いため
車輪を換えれば直ると思っている方も多いですが
フォークは前輪の一番重要な支柱ですから
微量でも曲がったまま乗ることが次の事故を招く訳です。

大学生くらいの男の子の乗っている自転車は
修理に来ている範囲内で言えば3割以上が曲がっています。


事故が減らないわけです。


修理に戻りましょう。

先ほどはみ出るほど塗ったグリスですが
ここでもう一役かってもらいます。



ハンドルをフォークにはめる際
中で錆びて固まってしまわないよう
たっぷりグリスを塗っておきます。



ハンドルの方にも塗ります。



これは新車の時にも行う作業で
よく、子供車なんかで多いのですが
成長したのでハンドルを上げに来た方が
ガチガチになって動かないなんていうケースがあります。

上の写真でも解ると思いますが
メーカーの自転車でも内部は基本的に加工がないため
こういう部分はどうしても錆びてしまうのです。
縦軸は水が入り込む事も多く、内部でロックをかけるので
湿気も溜まりやすい場所でもあります。
ですからスプレーやオイルではなく
比較的粘性が高めのグリスを塗ることで防水が出来るのです。

量販店やチェーン店の場合は
こういう作業をやらない場合が多いので
後でどうにも出来なくなるのです。


私たちが行っている”油を塗る”という作業は
基本的に殆どが、自分達のためです
いずれ修理にやってきた時にネジを外しやすくするためです
サイズ調整や、今回の修理のように滅多に外さない場所でも
これだけグリスがあれば、固まる事は殆どありません。




ハンドルを取り付けたら上部のネジをしっかり締めて
フォークの固定をします。
ご覧頂いてお分かりでしょうか。
ブレーキの位置が正常になっていますね。

しかしここで一つ問題がおきています。
もし気付いた方は素晴らしいです!



ちょっと比較しにくいのですが、ドロヨケを止める部分が
上の写真だと曲がってしまっていたのです。
衝突によって後ろに引っ張られたため
L字の部分が一緒に曲がっていたのですね。
もしそのまま取り付けるとドロヨケが変な方向に
少し引っ張られてしまい、タイヤとの隙間が異常になります。
場合によってはタイヤに当たってしまいます。

まっすぐ戻してあげる事で均一な距離を保てるのです。



このように。

タイヤとドロヨケの距離が
どの部分でも一定である事がお分かりでしょうか。
ブレーキもしっかり、リムに当たる位置に付いています。
これで修理が完了しました。


かなりの長文になってしまっていることからも
写真などをご覧頂いて、かなり大掛かりな修理である事は
おそらく想像できるかと思います。
それだけ重要な部分ですから、軽微な損傷でも
大事故に繋がる事を考えれば早く直した方がいい
わけです。

当店ではフロントフォーク交換は通常6,500円です
ただ、取り扱いメーカーであれば
純正で車体と同じ色のものが取れますが
他のメーカー、特に量販店などのものはパーツが取れない
(そもそも直すことを考えていないので作ってない)ため
汎用パーツのフォークを代用させていただいております。
カラーは選べず、黒かシルバーとなりますので
部分的に少し印象が変わってしまうことはご了承ください。

なお、メーカーでも現行に無いカラーの場合
塗装から入るため最大3週間ほどいただくこともございます。
急ぎの場合は汎用パーツで流用する事になると思いますが
メーカーのフォークは出来が良いので
出来るならば純正をお薦めします。

料金は特殊車でなければ変わりません。

安物自転車だと衝突した時に車輪ごと
フォークともども曲がることが多いのに比べて
メーカーの場合はクルマとぶつかっても
フォークが衝撃を吸収して多く曲がる代わりに
車輪の破損を防いでくれるという事が多いので
フォークだけの交換で安く済むケースが殆どです。


ちなみに今回の車体もパナソニックの電動アシスト車で
クルマとぶつかったのですが車輪の曲がりはなく
アルミリムという比較的弱いものにも関わらず無傷でした。

剛性は勿論ですが、力の逃げ口をとして
柔軟性もしっかりとる事で、いざという時に
大事故に繋がる事を防ぐ設計。
この辺りはしっかりと出来ているので
さすがメーカーだなと感じるところです。




いかがだったでしょうか。

自転車の中でも最も重要なパーツの一つ
フロントフォークについてご紹介しました。

次回は、後輪のベアリングの
グリスアップの風景をお届けする予定です。
ネタはあるのですが時間が無いため
不定期となりますが、お楽しみに^^;
posted by シンワ店長 at 13:14| 修理

2012年10月15日

自転車の心臓部

本日は自転車の心臓部の修理についてご紹介いたします。

皆さんはチェーンの調整を気にしたことがありますか?
ちょっとした段差や、スタンドを上げたときに

カチャカチャカチャ・・
パタパタパタ・・
カンカンカン・・


そんな音、していませんか?

走った分だけタイヤが減るのと同じように
どんなに脚力の無い方でも
チェーンは、乗れば必ず伸びます。

音は故障のサインです。
チェーンも定期的に点検を行いましょう。

※スポーツ車などの多段ギヤは
ディレーラーがあるため、基本的には
チェーン引きは必要ありません



さて、ではチェーンをほったらかしておくとどうなるか。
一番解りやすい例は、チェーンが外れます。

自転車はペダルの付いている軸の部分から
後輪までチェーンを引っ張る事で
駆動して前進する仕組みとなっています。

前のギヤから後ろのギヤへ力が伝わるように
しっかりと調整されて張った状態で
初めて100%の力を伝えてクリアに軽くこげるのです。

そもそもギヤというものはギザギザになっていて
その内側のくぼみにチェーンが入って
ある程度張った状態で調整されていますから
普通に考えたらチェーンが外れると言う事は
まず起こらないはずなのです。

しかしあまりにもチェーンが外れるという話は多いですね。
それは単純な話で、伸びているからです。

伸びているから外れる。
伸びているから外れても自分で直せてしまう
だから結局また外れる。


何度も何度も外れる方は調整が出来ていない
つまり引っ張っていないからです。

例えば当店の例でお伝えしますと
チェーンカバーがハーフのタイプで

チェーン引き:500円
チェーン外れ:1,000円
チェーン交換:3,500円


となります。
最後のチェーン交換というのは
外れた時に勢い余ってこいでしまって
チェーンを切ってしまう場合のケースです。

チェーンはそうそう簡単に切れるなんてことはあり得ません。
チェーンを切るなんて、どれ程の怪力かと思うのですが
脚力では、それほどの付加がかかるという事です。

さて

実は上記のような程度ならまだいいほうです。
もしこのように乗ってしまった結果がどうなるか
皆さんはご存知でしょうか?

121015a.jpg
こんな事になります。

先にお伝えしておきますと
修理代は5,000円程度かかります。

このクランクという部分は
上記にあります、ペダルの軸の部分です。
こいだ力がペダルに伝わる時に
それを最初に支える、いわば自転車の心臓部

本来は長い年月をかけてこいでこいで
回って回って、中のグリスが磨り減って
金属同士が当たって壊れるというのが正しい壊れ方です。

”正しい壊れ方”と書いたのは必ず壊れるからです。
それは一般的な乗り方で8年とか、10年とか
そのくらい長く乗った結果になる修理です。

そこでまたオーバーホールを行う事で
また次の8年、10年と乗る事が出来るのです。


しかしチェーンをたるたるで乗っている方は
早くて2年、大体3年以内に壊れます。


なぜなら、チェーンがたるんでいると
暴れてしまい、本来無い方向への力が加わる事で
クランク軸に変な力が加わってしまうからです。

クランクはこんなパーツで出来ています。
121015b.jpg

軸と、おわんと、ベアリング。
そしてそれらを止めるパーツです。

破損するのはベアリングです。

新品
121015c.jpg

破損
121015d.jpg

大破
121015e.jpg

一目瞭然ですね。

10年くらい使ったとしても
普通に壊れたのであれば二つ目の写真ほど
大きくゆがむ事はありません。
油が切れてカラカラになる程度です。

最後の写真のように原型すらわからない状態で
何が起こるかというと
ばらばらになった破片で軸を傷つけてしまいます。
クランク軸は最も強いパーツですので
これを折るというのは見たことがありませんが
相当に削れてしまう事は想像できると思います。

破損したパーツはグリスをたっぷり塗って交換します。

121015g.jpg

121015f.jpg

これだけのグリスが塗ってあるので
何年も長い時間を頑張ってくれます。

よく、軸にスプレー油を塗る方がいらっしゃいますが
ここにスプレーのような流動性のある油をかけると
あっという間に全部流れて消えてしまいます。

そういう方も3年くらいで破壊します。
これはクランクに限らず他の部分でもいえることです。

当店でいつもCRC、556などのスプレー油は
絶対に使わないようにと何度もお伝えしているのは
こういう理由で壊してしまうケースが多いからです。


このようにクランクを破壊してしまう場合に
もうひとつ、恐ろしい事があります。

121015h.jpg

おわかりでしょうか。

ねじ山が死んでいます。
ちなみにこのねじ山は、車体に切ってあります。

もうわかりますね。

つまりこの自転車は

廃車です。

本当ならば長い年月を乗って
沢山沢山走ってくれて
その走行距離を支えているパーツですから
また次の年数を考えて少し高いけど
しっかり直してあげてまた乗るというのが
一番お金のかからない自転車の乗り方です。

だって5000円で新車は買えませんから。


たった500円。

「まあいや」
「走れるし」

そのたったそれだけのことが
1,000円、あるいは5,000円
最悪一発で廃車になるのです。


どこで買った自転車でも
どの国で作られた自転車でも
いくらで買った自転車でも

結局壊すのは、乗る人です。

定期的な点検をおすすめします。
posted by シンワ店長 at 14:11| 修理