2013年09月03日

量販店あるある

修理をしていると多くの自転車を見ますが
あり得ない組みつけというのがよくあります。

「よくあります」と安易に書いてますが
本来あってはいけないのです。

しかしながら、例えば新車だったとしても
量販店で販売されたものは特にそういうものが多く
メーカー車でもいい加減なものが大半です。

自転車の組み立てというのは
基本的に同じ作業なので
普通にやっていれば同じように出来るはずなのです。

ですから、ちょっとしたことでも
我々プロの目から見たら
イレギュラーなものは特に目に付きます。

たとえばこれ



一見なんでもないように見えますが



問題はこの配線。



わざわざ反対側をまわして
無理やり本体に巻きつけて
右側に持ってきています。

ナゼこうなったのか疑問しか残りません。



これが正しい配線。

普通にやればこうなるはずなのに
どうしてわざわざ、難しい事をやったのでしょう。

補足ですが、配線はこのように多少余裕がないとダメです。
ピンピンに張ってしまうと、駐輪場などで
引っかけられた時により切れ易くなります。

ちなみに解りづらいですが
カゴを支えている支柱のパーツも
最初の写真ではやや右より(写真だと左より)
についていて、カゴの真ん中に来ていませんでした。

一番最後の写真は修理をした後ですが
この微妙な違い、お解かり頂けるでしょうか?

勿論この程度の事に料金はいただきません。
修理のついでであれば、勝手に直します。


安全上問題があるかといわれたら
あまり関係ないものも多くありますが
何より私自身が気持ち悪いから、直します。

これが素人とプロの違いです。
posted by シンワ店長 at 14:10| 修理

2013年05月27日

酷い修理

先日、他のお店で修理をしてもらった自転車が
直っていないということで、当店に持ってこられた
お客様がいらっしゃいました。

元々、当店で購入されていて
いつも修理に来ていただいている方だったのですが
出先でパンクをしたということで近場で直したそうです。

その時に「タイヤもダメかもしれない」と言われつつ
パンクだけで直して帰ったらしいのですが
翌日にまたパンクしていたので
そのお店でタイヤを交換してもらったそうです。

するとその直後から乗り心地がおかしくなり
ブレーキも変な音がし出したそうで
たまたま当店に持ってこられたのが水曜ということで
定休日だったため、致し方なくまた別のお店に持っていくと
「ブレーキの取り付けが正しくない」と言われ
正しく修理してもらったそうです。

その時は預けてしまったので何をどう直したのか見ておらず
1000円払って受け取ったら翌日からまた音がしだてしまい
最終的に当店に持ってこられました。

さてこの自転車ですが、何が悪いかはお店に来た時の音と
自転車を持ったとたんにすぐに解りました。

自分で言うのも何ですが、毎日仕事をしていれば
お客様が持ってきた時の様子と
お店の前に止まるまでの自転車の音だけで
何の修理に来たのか、どこが悪いのかは
だいたい解るものです。


一応確認の為にペダルも回してみましたが
それより何より、ブレーキを見たら一目瞭然。



調節ネジが締め付けすぎて
後輪すらもまともに回らないような状態でした。

音がするのは調節ネジの具合が適正でないから。
締めすぎても緩めすぎてもダメで
ブレーキの当たりがシビアになって
一回転するごとにどこかに当たる(=ブレーキがかかる)
ということになってしまいます。

上の写真のように限界まで締めることはまずありません。
したがってこのような初歩的なミスは
正直ありえません。


なぜなら、お渡しする前に
タイヤを回してチェックするはずだから。
それをやらないということは、修理したのに
直ったかどうかも確認していないということです。

さて、次に驚いたのがこちら



スポークが3本も折れていました。

タイヤ交換をしたのであれば100%気付くはずです。
車輪を外すほどの作業をしているのであれば
通常のスポーク交換より安く、一緒に直せるはずです。
当店なら、この程度ならご購入車であれば無料で直します。

最初に持ち込んだお店の話を聞くと
パンク修理代金を払ったにもかかわらず
翌日タイヤ交換でまた、タイヤ交換料金を払ったそうで
お客様は5000円以上支払った
と仰っておりました。

考えられません。

もし当店にタイヤがダメかもしれない自転車が持ち込まれて
もしお客様の要望でパンクで応急してくれといわれたとしても
あまり長く持たない事が明確であれば
せめて一週間以内ならレシートをお持ちいただければ
差額分でタイヤ交換をしますとお伝えします。


それどころか、スポークの外れも無視してお渡しするなんて
到底プロの仕事とは思えません。

このまま乗ってしまうと車輪が曲がって
もっと大きな修理に繋がってしまう事は明白ですし
安全に走行できない可能性もあるからです。

さらに!

よくよく見ると、ブレーキには油が入ってしまっているようで
握っても「ギ、ギー」と音を立てて滑って止まれません。

どの段階で油が入ったかはわかりませんが
一つだけ言える事は、この自転車は既に
以前に当店でブレーキを交換していて
当店で修理している限り
”ブレーキ周辺に油をかける”などという愚行
は、決して行っていないということです。





ブレーキだけでなく、周りのパーツにも
いたるところに溜まるほど油がべったり付いていました。

1軒目でブレーキがきちんとついていなかったという話と
2軒目で調整してもらったという話で
どちらでこうなったかは解りませんが
私が推測するに、1軒目のお店でもし油がついていたら
2軒目のお店で気付いてそこで修理ということになるはずです。

当ブログでも再三書いておりますが
ブレーキに油が入ったら一発アウトです。
そこで直すかどうかは別にしても

危険であることを伝えるのが

私たち自転車店の義務です。

安全整備士という肩書きがある以上

これを伝えない事は

怠慢だとしか思えません。


そう考えると2軒目で入ったとするのが妥当です。
1000円払って、ブレーキを壊されては踏んだり蹴ったりです。
そして上記に書いた義務どころか
自分で壊していては整備士としては失格ではないでしょうか。

実は以前より、お客様の自転車を修理する際に
ブレーキ周辺にスプレー油などがかかった痕跡がある場合
お客様に尋ねるのですが、家族の誰もが
油をかけるようなことは一切しておらず
スプレー油すら家にないというお客様が数人いらして
おかしな話だなとは思っていたことがありました。

最近になって色々とお話を伺っている中で
なんと驚いた事に自転車店でかけているという事が発覚しました。
それも量販店ならまだしも、あろうことか個人店。
どのお店かは伏せますが。
この事実を知った時は愕然としました。

ありえないのです。

例えば

ガソリンスタンドで

店員がタバコを吸っている


というくらい、ありえないのです。

無知にもほどがあります。
素人がホームセンターで買ってきたCRCを
知らなくて吹いてしまうのとはわけが違います。
少なくとも自転車技師や安全整備士という資格を持って
自転車店で仕事をしている以上
このくらいの基本的なことが解らないようでは
正直もう、やめてもらったほうがいいとさえ思います。


よほど修理のセンスがないのでなければ
習わなくても、仕事をしていれば
油の特性くらい直感で解りそうなものです。


そんなわけで、非常に残念なのですが
車輪交換と共にブレーキも交換という修理となりました。
このお客様は既に6000円以上支払っていて
タイヤが変わった以外は何も改善されず
また当店で8000円近く払うはめになりました。

新しい自転車を買ったほうがいいかもと口にされていたので
買ったら4万もするいい自転車であることと
まだ4年しか乗っていないことをしっかり説明して
修理したほうがいい事をご納得していただきました。

もし当店の近くでパンクしたなら
もし水曜じゃなかったなら
4000円で全部スッキリ直ってたはずなのに。

そう考えると、やりきれない気持ちになります。


その後も修理に取り掛かると、至る所で
その2店舗でやられたであろう災難が続出。



ブレーキワイヤーがほつれてたり



よくよく見ると、いたるところに油が溜まっていたり。

かと思えば・・



不要なところにばかり油がついていて
必要なところは全然ついていなかったり。
推測ですが、チェーンのケースを閉じたまま
スプレーか何かを吹いたのでしょうね。

というより、やっていて気付いたのですが
これはスプレーではありません。
スプレーは揮発性が高いので
油だまりになるほど留まりません。
それがスプレー油の特性です。
逆にこれほど留まるほどのものはオイルとしか考えられず
そしてそれほどの量をかけたというのは
どう考えてもありえないのです。

しかし次の事実がそれを証明しています。

車輪を組み替えるためにブレーキ本体を外すと
中には油が溜まっていました。



止まる装置の内部に潤滑油。
これでは止まれるわけがありません。
内部に溜まるほどオイルをかけたのでしょうか。
未だに信じられません。

他にも、細かい部分で言えば、例えばチェーンケースの内側
タイヤのある方は普通手が届かないので
タイヤを外す際に掃除が出来るチャンスなのですが
全然手入れされておらず汚れたままでした。



要するに、最初のお店でいう「タイヤ交換」とは
きっと”タイヤを換えて終わり”の作業なのでしょう。
確かに間違ってはいないと思います。
でもそれは素人レベルであって
仕事として考えると私には到底理解が出来ません。
私だったらそんなお店に行きたいと思いません。

タイヤを外す作業は大変だから
それなりに高い金額を頂くわけです。
ですから、それ以上の事を気遣ってあげられれば
お客様は4000円払っても「安かった」と思って頂けるのです。

それがプロの仕事ではないでしょうか。


まして、注油厳禁と書いてあるパーツに
油を吹きかけるなんて、まさにド素人もいいところです。


自転車店ですから、当然組み立てや修理を行うわけですが
私自身、自分でそこまで腕があるとは思っていません。
しかし腕がないとも思っておりません。
特別素晴らしい腕はないかもしれませんが
最低限、しっかりと調整し、修理をして
しっかり乗れる状態にする事は出来ます。


それともうひとつ、いつも心がけている事があります。
それは「恥ずかしくない仕事をする」ということです。

私たちが一番恥ずかしいのは何かと聞かれたら
私は真っ先に「プロが見てダメだと思う仕事」と答えます。

例えばこの件に関しても、最初のお店の仕事は
次のお店できっとダメだと思われたことでしょう。
そしてその両方のお店の仕事を、私はダメだと思いました。

ちょっとしたことでもプロが見たら気を遣って組み立てているかなど
細部までわかってしまいます。
それが解らない人はプロとは言えないと思います。

私が直した自転車が、組み立てた自転車が
いつ他のお店に持ち込まれるか解らないので
そこで見たどこかの自転車店の方に
「しっかり組み立ててるな」と思われる仕事をしたいのです。

「なんだこりゃ」と思われたら、本当に恥ずかしい。
そうなったらきっと、お客様はそのお店で
おかしい部分を説明されるでしょうから

「あの店で修理してもらったけど調子悪くて
 他の店に行ったら全然ダメだったって言われたよ」


と、なることでしょう。

結局は自分自身に跳ね返ってくるのです。

私はそんは恥ずかしい思いはしたくないです。
もしかしたらもうしているかもしれませんが・・

ただ、そう思っていてもミスすることは実際あります。
もし私のミスで直っていなかった場合は
どうぞ気兼ねなく言いに来てください。
お客様のお時間とお持ち頂く手間をお返しする事は出来ませんが
出来なかった部分は無料でやり直します。

しっかり出来ていないものに
お金を頂くなんて恥ずかしい事は出来ません。
それこそプロ失格ですから。

自己満足かもしれませんが
自己満足でいいんです。

結果的にお客様が安心して乗れるわけですから。
posted by シンワ店長 at 19:52| 修理

2013年05月18日

Fフォーク交換という修理

本日はフロントフォーク交換という修理について
詳しく解説していこうと思います。

聞きなれない言葉ですが、ちょっと詳しい方や
バイクなどを乗る方は解ると思いますが
ハンドル下の、前輪を支えている部分を
フロントフォークといいます。

見たほうが早いと思うので早速ですが
今回はこんな自転車がやってきました。



解りますでしょうか?

前輪を支える部分がぐにゃりと曲がって
ハンドルが切れないほどに
タイヤがフレームにくっついてしまっています。

比較の為に先に出来上がりを載せてしまいますが



これが正常な状態です。

フォークが曲がることで、フォークに取り付けられている
前輪ブレーキも位置がずれてしまい
おかしな位置になってしまいます。



上の写真の通り、フォークがこの状態では
ハンドルを切る事すら出来ず乗れないのですが
もし乗れたとしたら、このブレーキでは
タイヤを壊してしまいます。

ちなみに今回はかなり極端な例で
勿論、こうなるためには正面衝突など
重大な事故といえるほどに
相当な衝撃が加わらないとありえません。

ただ、単独での軽微な衝突で微量に曲がる場合も多く
私が見ている範囲でここが曲がって乗っている方は
おそらく全体の2割近いと推測しています。
つまり、ブレーキが変な位置についていて
まともに止まれない自転車が多く存在するということです。


どんなに軽くても、事故が起きて曲がってしまった
自転車を乗り回すことがどれ程恐ろしいか。

もしそういう自転車が自分に突っ込んできた時に
「しょうがないよね」って言えるのか。
今一度、考えていただきたいと常々思っています。



さて、では修理に取り掛かります。
まずフォークを外すためにはハンドルを抜き
フォークを止めているネジ類を外していきます。



よく、重い荷物を積む方はカゴからの振動がここに伝わり
ブラケットが揺れる事でこのネジ類が緩んでいる場合があります。
このネジがしっかりしまっていないと
フォーク及びハンドルの軸に遊びができてしまい
とても危険な状態ですので、もし緩んでいる方は
早めにご来店ください。異常が無ければ200円くらいですぐ直ります。




ネジを外すとフォークがそのまま下に落ちます。
上部にベアリングが見えるのがおわかりでしょうか。



このように下にもベアリングが入っています。

自転車で一番大事なのは”軸”です。
一般的なのはペダル軸や車輪軸のような横軸なのですが
唯一ハンドル部が縦軸となります。
このベアリングが壊れる事は滅多にありませんが
長く乗った方や、先のように緩みが出たまま乗っていると
早い段階で、ここまでバラして修理する必要が出てきます。
ちなみに3500円くらいかかります。

ネジを締めて200円と比べてお好きな方を選びましょう。笑


フォークを外したら、交換する前に
周辺のパーツも綺麗にします。



フォークのベアリングはリテーナーという
リングの中に入っている一つのパーツです。





破損しているとベアリングが抜け落ちたり
前回のペダル軸の時のように変形したりしますが
横軸に比べて負担が大きくないので
そこまで破損している事は稀です。
問題が無ければグリスアップして戻します。

勿論、ベアリングが合わさる部分にも
たっぷりとグリスを塗ります。





ベアリングをはめてはみ出すくらいたっぷりと。
はめた後に、はみ出たグリスを上からまた塗ります。







ちなみに交換したフォークですが
新品と比較するとこのような状態です。



誰が見てもおかしいことは一目瞭然ですね。
これは本当に極端な事例なのですが
実はぱっと見ても解らないくらいのものも
先にお伝えしている通り、結構あります。



これらはここ最近換えたフォークなのですが
(※ここ最近よく換えてること自体が異常事態です。汗)
真ん中の二つのうち、青い方は
よく見ればはっきり解る曲がりです。



実はこの方は、随分前から曲がっているのを知っていました。
何度も危ないという話をしていたのですが聞き入れられず
先日、チェーンが外れて親が持ってきた時に
危険だということを説明してようやく交換しました。
親もそれを知っていたということには愕然としましたが。。

白い方はかなり微妙に曲がっていて
気付くのに少し時間がかかりました。
修理にこられた際に若干の違和感を覚えたのでよく調べ
お客さんから「ぶつかったことがある」と聞いたので
微量ですが曲がっていることを確信しました。

「ぶつかったことがある」と解っていながら乗ること自体が
危険運転である事をもう少し認識していただきたいです。


フォークが曲がる際には正面から相当綺麗にぶつからない限り
左右が微量にずれて曲がるため、曲がった自転車は
ハンドルがまっすぐなのに走行中にどちらかに曲がります。
まっすぐ走れない自転車であるというだけでなく
先のようにブレーキがずれて利きが悪くなっていたり
酷い場合だとフォークが破損してヒビが入ったりして
もう一度ぶつかったら大破ということも考えられます。

あわせて、車輪が曲がるケースも多いため
車輪を換えれば直ると思っている方も多いですが
フォークは前輪の一番重要な支柱ですから
微量でも曲がったまま乗ることが次の事故を招く訳です。

大学生くらいの男の子の乗っている自転車は
修理に来ている範囲内で言えば3割以上が曲がっています。


事故が減らないわけです。


修理に戻りましょう。

先ほどはみ出るほど塗ったグリスですが
ここでもう一役かってもらいます。



ハンドルをフォークにはめる際
中で錆びて固まってしまわないよう
たっぷりグリスを塗っておきます。



ハンドルの方にも塗ります。



これは新車の時にも行う作業で
よく、子供車なんかで多いのですが
成長したのでハンドルを上げに来た方が
ガチガチになって動かないなんていうケースがあります。

上の写真でも解ると思いますが
メーカーの自転車でも内部は基本的に加工がないため
こういう部分はどうしても錆びてしまうのです。
縦軸は水が入り込む事も多く、内部でロックをかけるので
湿気も溜まりやすい場所でもあります。
ですからスプレーやオイルではなく
比較的粘性が高めのグリスを塗ることで防水が出来るのです。

量販店やチェーン店の場合は
こういう作業をやらない場合が多いので
後でどうにも出来なくなるのです。


私たちが行っている”油を塗る”という作業は
基本的に殆どが、自分達のためです
いずれ修理にやってきた時にネジを外しやすくするためです
サイズ調整や、今回の修理のように滅多に外さない場所でも
これだけグリスがあれば、固まる事は殆どありません。




ハンドルを取り付けたら上部のネジをしっかり締めて
フォークの固定をします。
ご覧頂いてお分かりでしょうか。
ブレーキの位置が正常になっていますね。

しかしここで一つ問題がおきています。
もし気付いた方は素晴らしいです!



ちょっと比較しにくいのですが、ドロヨケを止める部分が
上の写真だと曲がってしまっていたのです。
衝突によって後ろに引っ張られたため
L字の部分が一緒に曲がっていたのですね。
もしそのまま取り付けるとドロヨケが変な方向に
少し引っ張られてしまい、タイヤとの隙間が異常になります。
場合によってはタイヤに当たってしまいます。

まっすぐ戻してあげる事で均一な距離を保てるのです。



このように。

タイヤとドロヨケの距離が
どの部分でも一定である事がお分かりでしょうか。
ブレーキもしっかり、リムに当たる位置に付いています。
これで修理が完了しました。


かなりの長文になってしまっていることからも
写真などをご覧頂いて、かなり大掛かりな修理である事は
おそらく想像できるかと思います。
それだけ重要な部分ですから、軽微な損傷でも
大事故に繋がる事を考えれば早く直した方がいい
わけです。

当店ではフロントフォーク交換は通常6,500円です
ただ、取り扱いメーカーであれば
純正で車体と同じ色のものが取れますが
他のメーカー、特に量販店などのものはパーツが取れない
(そもそも直すことを考えていないので作ってない)ため
汎用パーツのフォークを代用させていただいております。
カラーは選べず、黒かシルバーとなりますので
部分的に少し印象が変わってしまうことはご了承ください。

なお、メーカーでも現行に無いカラーの場合
塗装から入るため最大3週間ほどいただくこともございます。
急ぎの場合は汎用パーツで流用する事になると思いますが
メーカーのフォークは出来が良いので
出来るならば純正をお薦めします。

料金は特殊車でなければ変わりません。

安物自転車だと衝突した時に車輪ごと
フォークともども曲がることが多いのに比べて
メーカーの場合はクルマとぶつかっても
フォークが衝撃を吸収して多く曲がる代わりに
車輪の破損を防いでくれるという事が多いので
フォークだけの交換で安く済むケースが殆どです。


ちなみに今回の車体もパナソニックの電動アシスト車で
クルマとぶつかったのですが車輪の曲がりはなく
アルミリムという比較的弱いものにも関わらず無傷でした。

剛性は勿論ですが、力の逃げ口をとして
柔軟性もしっかりとる事で、いざという時に
大事故に繋がる事を防ぐ設計。
この辺りはしっかりと出来ているので
さすがメーカーだなと感じるところです。




いかがだったでしょうか。

自転車の中でも最も重要なパーツの一つ
フロントフォークについてご紹介しました。

次回は、後輪のベアリングの
グリスアップの風景をお届けする予定です。
ネタはあるのですが時間が無いため
不定期となりますが、お楽しみに^^;
posted by シンワ店長 at 13:14| 修理

2012年10月15日

自転車の心臓部

本日は自転車の心臓部の修理についてご紹介いたします。

皆さんはチェーンの調整を気にしたことがありますか?
ちょっとした段差や、スタンドを上げたときに

カチャカチャカチャ・・
パタパタパタ・・
カンカンカン・・


そんな音、していませんか?

走った分だけタイヤが減るのと同じように
どんなに脚力の無い方でも
チェーンは、乗れば必ず伸びます。

音は故障のサインです。
チェーンも定期的に点検を行いましょう。

※スポーツ車などの多段ギヤは
ディレーラーがあるため、基本的には
チェーン引きは必要ありません



さて、ではチェーンをほったらかしておくとどうなるか。
一番解りやすい例は、チェーンが外れます。

自転車はペダルの付いている軸の部分から
後輪までチェーンを引っ張る事で
駆動して前進する仕組みとなっています。

前のギヤから後ろのギヤへ力が伝わるように
しっかりと調整されて張った状態で
初めて100%の力を伝えてクリアに軽くこげるのです。

そもそもギヤというものはギザギザになっていて
その内側のくぼみにチェーンが入って
ある程度張った状態で調整されていますから
普通に考えたらチェーンが外れると言う事は
まず起こらないはずなのです。

しかしあまりにもチェーンが外れるという話は多いですね。
それは単純な話で、伸びているからです。

伸びているから外れる。
伸びているから外れても自分で直せてしまう
だから結局また外れる。


何度も何度も外れる方は調整が出来ていない
つまり引っ張っていないからです。

例えば当店の例でお伝えしますと
チェーンカバーがハーフのタイプで

チェーン引き:500円
チェーン外れ:1,000円
チェーン交換:3,500円


となります。
最後のチェーン交換というのは
外れた時に勢い余ってこいでしまって
チェーンを切ってしまう場合のケースです。

チェーンはそうそう簡単に切れるなんてことはあり得ません。
チェーンを切るなんて、どれ程の怪力かと思うのですが
脚力では、それほどの付加がかかるという事です。

さて

実は上記のような程度ならまだいいほうです。
もしこのように乗ってしまった結果がどうなるか
皆さんはご存知でしょうか?

121015a.jpg
こんな事になります。

先にお伝えしておきますと
修理代は5,000円程度かかります。

このクランクという部分は
上記にあります、ペダルの軸の部分です。
こいだ力がペダルに伝わる時に
それを最初に支える、いわば自転車の心臓部

本来は長い年月をかけてこいでこいで
回って回って、中のグリスが磨り減って
金属同士が当たって壊れるというのが正しい壊れ方です。

”正しい壊れ方”と書いたのは必ず壊れるからです。
それは一般的な乗り方で8年とか、10年とか
そのくらい長く乗った結果になる修理です。

そこでまたオーバーホールを行う事で
また次の8年、10年と乗る事が出来るのです。


しかしチェーンをたるたるで乗っている方は
早くて2年、大体3年以内に壊れます。


なぜなら、チェーンがたるんでいると
暴れてしまい、本来無い方向への力が加わる事で
クランク軸に変な力が加わってしまうからです。

クランクはこんなパーツで出来ています。
121015b.jpg

軸と、おわんと、ベアリング。
そしてそれらを止めるパーツです。

破損するのはベアリングです。

新品
121015c.jpg

破損
121015d.jpg

大破
121015e.jpg

一目瞭然ですね。

10年くらい使ったとしても
普通に壊れたのであれば二つ目の写真ほど
大きくゆがむ事はありません。
油が切れてカラカラになる程度です。

最後の写真のように原型すらわからない状態で
何が起こるかというと
ばらばらになった破片で軸を傷つけてしまいます。
クランク軸は最も強いパーツですので
これを折るというのは見たことがありませんが
相当に削れてしまう事は想像できると思います。

破損したパーツはグリスをたっぷり塗って交換します。

121015g.jpg

121015f.jpg

これだけのグリスが塗ってあるので
何年も長い時間を頑張ってくれます。

よく、軸にスプレー油を塗る方がいらっしゃいますが
ここにスプレーのような流動性のある油をかけると
あっという間に全部流れて消えてしまいます。

そういう方も3年くらいで破壊します。
これはクランクに限らず他の部分でもいえることです。

当店でいつもCRC、556などのスプレー油は
絶対に使わないようにと何度もお伝えしているのは
こういう理由で壊してしまうケースが多いからです。


このようにクランクを破壊してしまう場合に
もうひとつ、恐ろしい事があります。

121015h.jpg

おわかりでしょうか。

ねじ山が死んでいます。
ちなみにこのねじ山は、車体に切ってあります。

もうわかりますね。

つまりこの自転車は

廃車です。

本当ならば長い年月を乗って
沢山沢山走ってくれて
その走行距離を支えているパーツですから
また次の年数を考えて少し高いけど
しっかり直してあげてまた乗るというのが
一番お金のかからない自転車の乗り方です。

だって5000円で新車は買えませんから。


たった500円。

「まあいや」
「走れるし」

そのたったそれだけのことが
1,000円、あるいは5,000円
最悪一発で廃車になるのです。


どこで買った自転車でも
どの国で作られた自転車でも
いくらで買った自転車でも

結局壊すのは、乗る人です。

定期的な点検をおすすめします。
posted by シンワ店長 at 14:11| 修理